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臨時投稿 -レクイエム-

今日は定期投稿日ではないのですが、記事を書こうと思います。



今日は始業式で、いつも通り学校へと行き、講堂に集まって始業式をするわけですが、

着任紹介を終えた後、校長が”悲しい知らせ”があると言う。



その内容によると、自分が親しくしていた一つ上の先輩が心不全で亡くなったらしい。

突然の訃報に唖然としたが、どうも実感が湧かない。

何故だろうか。

部活が再開してから、また”派遣社員A”として部室に遊びに来そうな気がしてならない。



本当に死んだのか。



運命?





現実なのか。



決して巻き戻らない厳しい現実。

一度あった事象は決して取り消されない。



夢であって欲しいと願っても、

いかなるものを信仰しようとも時間は一次元上を一定方向にしか進まない。

決してマイナスの進行はない。

受け入れがたい現実。

されど、過去は如何に避けたくても変わることはない。

”視点を変える”ことはできても”事実を変える”ことはできない。



彼は”過去の人”となり、風化する。

これといった功績もない”ニンゲン”は”存在”の証となる”記録”の中へ紛れる。

命を与えられたほとんどの”ニンゲン”がこの運命にある。

俺もその1人であるはずだ。



社会は、人が1人死んだところで機能を止めることはない。

何事もなく仕事を続ける。

医療の進歩により、小死社会となった昨今、人の死の”重み”が重くなった気がする。

人は老衰するまで生きるのが当然と思われた社会において、

若くして死ぬことは希なことになっている。

もう、自分が彼にできることは何もないが、今後の俺は何をすればいいのか。

彼の分まで生きる?

そんなことができたら苦労はしない。

鎮魂?

”魂”は本当にこの世を彷徨うのか?

魂は現世の人々の心の中にあるもの。

俺の場合、鎮魂の必要は無さそうだ。





自分の記憶の中の彼の声が、いつまで思い出せるだろうか。

自分の記憶から彼が消え去るときが、自分にとっての、彼の”魂”の最期である。


by arashimata | 2008-04-09 14:23

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